練習第四章 罠
モテ*1です。
練習日記執筆から逃れるため、日々大人しく合奏を過ごしてきたのですがとうとう担当が回ってきてしまいました。
たぶん、バスタオル一枚の人が「絶対書いてない人とかいるよね?」とか言ったせいだと思います。こんどシメておこう。
さて、午前中は2面のキャラ練をやりました。
ちなみに今回の私の配役は。
・・・木をやります。木を、やります。(大事なことなので二度言いました*2)
FCBでは毎回、出番中はひたすら羞恥に耐え続けるキャラが必ずいます。
7thのまきこしかり、8thのさんましかり。
特に何をするわけでもなく、ステージにただ一人、ずっと立ち続けるだけ。今回は私に巡ってきてしまったようです。幼稚園時代のお遊戯会での悪夢が二十数年ぶりにフラッシュバックします。
そんな一メンバーの不安もよそに、2面のキャラあわせが続きます。
さすが、過酷な合宿でもキャラ練を乗り越えてきた猛者たち、みな動きが違います。表情も真剣そのもので、お互いが出し合う演出上の指示も非常に細部までおよびます。
「ア○ナのセーラー服、もっとスカート短くならない?」
「○モはもっと、パンツ見えるくらいキックを鋭角にして!」
スカート丈のやけに短いキャラ衣装やボディラインを強調するようなコスチュームに着替えた女性メンバーが練習部屋に戻ってくるたびにFCBGuysの視線も泳ぎます。これだから毎年、女性団員が抜けていくんだと思います。
しかし私は鉄の意志を持った只の木ですから、そんなセクハラ団員をよそに、雄大な木をイメージし、幾星霜にもおよぶ時の流れを感じながらステージ中央にその身を静かに据え、枝葉をめぐらせます。
大丈夫、この曲は2面最後の曲。
今は独りでも、このあとのカーテンコールでみなが私の梢のもとに集ってくれる。目を閉じ、集合の合図をただただ待ちます。
待ちます。
シーンとした空気が練習部屋を流れてゆくのが感じられます。
・・・待ちます。
心なしか周囲に笑いをこらえるような気配が混じってきた気がしますが、
木は動じません。
待ち・・・
「絵的に面白いからこのまましばらく放置しとこっか」
今回の羞恥プレイも長丁場になりそうです。