FCB練習日記

いったいおれ どうな て

本番までラスト1週間

チューバパートのトンキーです。本番前日の現地リハを除けば今シーズン最後となる練習のもようを振り返ってみましょう。

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柔らかな秋の日差しを浴びて眠い目をこすりながら三両編成の郊外電車に揺られ、小さな駅で降りるとすぐに練習場所のホールがある。建物の前に停められた車から、とても一台に収まるとは思えない量の段ボールや模造紙が続々運び出されていく。ファミコンバンド、いつに変わらぬ朝の風景である。

大量の荷物を地下二階のスタジオまで運び込み、ようやく練習が始まる。午前中は主に指揮者いけちnが夜なべして作った指摘事項リスト(有料)にもとづく要注意箇所の確認。午前中といいつつ14時近くまでほとんどぶっ通しのうえ何曲かは演出の練習も行われ、メンバー一同くたびれたところに代表ヨシヲの声が無常に響く。「じゃあ午後は14時20分からで」

スタジオの予約が14時までだったため、大量の荷物を三階の別室まで運び上げねばならないがエレベーターが一台しかない。果敢に階段に挑む一同であったが、日頃の運動不足と過度の飲酒がたたり踊り場にくずおれるメンバーが相次いだ。荷物を運び終えた頃にはすでに14時過ぎ、休む間もなく階段を駆け下りコンビニやマクドナルドに殺到する一同。ファミコンバンド、いつに変わらぬ昼の風景である。

午後は演出練習と大道具制作の同時進行。勇者っぽい感じの人も魔王っぽい感じの人もコンビニ弁当を食いながらではあるが演出の流れを打ち合わせ、更にバンドを加えて確認を繰り返す。狭い部屋の中では思うようにタイミングや距離感が計れず、「ここは現地で調整しましょう」という言葉が免罪符のごとくに飛び交った。つい先月は「ここは合宿でやりましょう」と連呼していたような気もするが。

夕刻、練習と搬出を終えて十数名のメンバーは近くの居酒屋へ。本番前日はさすがにまさかいくらなんでも飲みに行く人はいないだろうから、打ち上げを除けばこれが今シーズン最後の飲み会となる。本番の一週間前ともなると疲労はピークに達し、仕事における集中力の低下、毎週末の練習参加による家庭崩壊の危機、燃え尽き症候群への不安といった問題をそれぞれに抱えながらも、この日々がもうすぐ終わってしまうことへの寂寥は誰しも隠せない。飲み会は盛り上がり、一名の戦闘不能者を出すに至った。ファミコンバンド、いつに変わらぬ夜の風景である。

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というわけで、10/5(日)はいよいよFCB12thライブです。演目の多くは20年以上前に作られ、お客様や出演者の思い出に彩られた楽曲ですが、そこにはもしかしたら新しい発見があるかもしれません。子供の頃に遊びつくしたと思っていたゲームを大人になってプレイして、新鮮な驚きを得ることがあるように。

川崎市教育文化会館にて、お待ちしています。